「生前贈与」の上手な活用方法

生前贈与という言葉をご存知ですか?

生前贈与とは簡単に言うと、生きているうち(生前)に、財産を譲る(贈与)することです。
その目的は、相続財産つまり死後に渡される財産のいくらかを、あらかじめ生前に渡しておくことで、相続財産を減らし、それによって相続税を減らすことにあります。
ただこの場合、相続税は減りますが贈与税がかかります。
では、贈与税とはどういったものでしょうか?

贈与税とは、簡単に言うと、贈与された財産に対してかかる税金のことです。
そして最近では、この生前贈与が注目を浴びています。

その理由は、平成25年度の税制改正により贈与税が手直しされたからです。
この改正は、シニア世代が資産全体の60パーセント以上を保有しているという社会の現状がある中で、相続まで待たずに早いうちに、若い世代への資産の移転を促すことを目的として行われました。

そして、この改正によって、生前贈与を利用した場合、相続によって財産を渡した時と比べて、トータルで見て財産にかかる税金を減らすことができるケースが今まで以上に増えました。
例えば、生前贈与を受けることができる対象者は、以前は子(但し20歳以上)だけだったのですが、これが孫(但し20歳以上)まで広がりました。
さらに、贈与する側も65歳以上の方から、60歳以上の方に年齢が引き下げられることによって対象者の範囲が広がりました。

このように上手に利用すれば、大いに節税効果が見込める生前贈与について、その方法や、どのくらい税金が減らせるのか、いくらまで贈与が可能なのか等について、これからご紹介いたします。

生前贈与の方法

(1)一般贈与の基礎控除を上手に利用する

これは、生前贈与の方法のうちの一つである、一般贈与を活用する方法です。一般贈与とは、毎年毎年贈与していく方法です。

この方法における贈与税の計算の仕方が一年を区切りとして考えるので、後に述べる相続時精算課税に対して暦年課税とも言います。暦年とは1月1日から12月31日までを言います。

この制度には、贈与を受ける人一人当たり年間で110万円の基礎控除が設けられています。また、贈与を受ける対象者についての制限がありませんので、子や孫だけでなく、それ以外の方にも財産を渡すことができます。

具体的には?

例えば、二人に対して毎年110万円ずつ15年間贈与した場合、3300万円の財産を生前に渡すことができ、贈与税は0円となります。
またその分だけ相続財産が減ったことにより、結果として相続税も減ることになります。同じく3300万円を贈与するにしても一度にしてしまうと多額の贈与税がかかりますので、一般贈与における基礎控除を上手に利用しましょう。

(2)相続時精算課税制度を活用する。

生前贈与には大きく分けて2種類あります。
一般贈与といわれるものと相続時精算課税制度といわれるものです。
後者は、一般贈与に比べていっそう、相続財産の前渡しという性格が濃い制度です。

そして、この制度の場合は、2500万円の特例控除があります。
つまり、この制度を利用した場合は、2500万円までの贈与には贈与税がかかりません。

これを超える部分については一律に20%の贈与税を納めることになります。
そして、相続が発生した時に、その贈与価額も相続財産の中に加えて相続税を計算します。

その際、それまでにおさめた贈与税額は、相続税額から差し引かれることとなります。つまり清算されるということになります。

相続時精算課税制度を使うための要件

60歳以上の者から、その者の20歳以上の子や孫への贈与であること。つまり、贈与を受ける対象者が限定されます。
なお、年齢は、贈与があった年の1月1日現在のものです。また、贈与を受ける人の人数について制限はありません。

一般贈与でなくこちらを選択する旨の手続きを税務署に対して行わなければなりません。具体的には、贈与税の申告期限までに贈与税の申告書と相続時精算課税選択届出書を税務署に提出することとなります。

具体的には?

子供1人に3500万円を相続時精算課税制度を使い、贈与した。
3500万円-2500万円=1000万円(特別控除をした後の課税価格となる)
1000万円×20%=200万円(贈与税の価額)
3500万円の贈与を受けた場合の贈与税は200万円となります。

気をつける点は

相続時精算課税を選択した場合は、その人からの贈与は、その年以降、暦年課税に変更することはできなくなることです。

(3)マイホーム贈与における配偶者控除を活用する

この制度は、婚姻期間が20年以上の夫婦に限り一定の要件を満たせば、夫婦の間での2000万円までの贈与が控除される制度です。

但し、そのお金の使い道は、住むための不動産の購入に限られます。そして、これは、基礎控除と一緒に使うことができますので、合計2110万円の贈与ができることになります。

配偶者控除を受けるための要件

・夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと
・自分が住むための国内の不動産を購入するために贈与が行われたこと。

となります。

(4)教育資金の一括贈与の非課税措置を活用する

これは、たとえば、祖父母から孫へというように、直系尊属から贈与を受ける相手の教育に充てる資金としてならば1500万円までの贈与を非課税とする制度です。

直系尊属からの贈与に適用されますので、もちろん、ひ孫でも構いません。
但し、これが適用されるのは、贈与を受けた側が30歳までです。

そして、贈与をする側と信託会社の間で、教育資金管理契約を結びます。贈与を受ける側は、その契約の受益者という形をとります。

具体的には?

孫3人に、教育資金として1500万円ずつこの制度を使って贈与した。この場合、合計4500万円の贈与ができ、贈与税も掛かりません。
その分、相続財産が減ることになり、結果として相続税も減ることとなります。贈与する孫やひ孫の数について制限はありません。

自分に合う生前贈与の方法が分からない場合

さまざまな方法があるのは分かったけど、自分の資産総額や、贈与する相手は誰が適正か、など判断が難しいところが多いと思います。

そのような際は法律事務所やファイナンシャルプランナー等に相談されてはいかがでしょうか。
当サイトでは生前贈与だけでなく、相続問題にもつよい専門家を紹介しています。

生前贈与や相続問題に強い専門家はこちらから

生前贈与を行う上での注意点

ここまでは生前贈与の上手な活用方法を紹介しましたが、もちろん注意しなければいけない事もあります。
制度や控除に当てはまらず、多額の贈与税を支払っては意味がありません。
ここからは注意点を細かく紹介します。

分割しておこなう

贈与税節約の原則は、長い時間をかけて、多くの人に贈与するということです。贈与は、一括して贈与せず分割しておこなうことを基本としましょう。

贈与契約書を作成する

贈与は契約の一つです。
そのため、あげる人ともらう人の合意があることが大前提となります。
これを第三者に証明できるように、きちんと贈与契約書を作っておきましょう。さらには、公証役場で作成日付を入れた公正証書として作っておけば安心でしょう。

毎年少額で贈与税を納める

贈与であるという証拠として、毎年少額でも贈与税を納めておくのも一つの方法でしょう。
例えば111万円の贈与の場合は、贈与税は基礎控除の110万円を超えた1万円にかかりますので、この場合、贈与税額は1千円になります。

贈与の記録をとる

贈与があったという記録をきちんと作っておきましょう。毎回口座振り込みを利用するのも一つの方法です。

名義変更が必要な贈与を把握しておく

不動産などの名義変更が必要なものの贈与は、名義変更も忘れずにしておきましょう。

もらった人が自由に使えるようにする

贈与だと認めてもらうには、もらった人が自由に使える状態にすることが必要です。
例えば、親から子への贈与の場合で、その子供名義の口座の通帳も印鑑も親が管理していて、実質的には子供がその財産を使えない場合は、贈与とみなされません。

一括贈与とみなされる場合がある

一括で贈与したとみなされる場合にご注意を。もらう人名義の口座に毎年入金をしていても、実際の口座管理はあげる人がしていた場合で、結婚や成人等のきっかけの際に、口座の通帳や印鑑を渡した場合は一括して贈与したとみなされて、多額の贈与税がかかることになってしまいます。

基礎控除はもらう人一人当たりの額

基礎控除について勘違いしやすいことは、一般贈与における基礎控除の110万円は、もらう人一人当たりの額です。
例えは、おじいちゃんおばあちゃんからそれぞれ110万円もらったら基礎控除を超えますので、贈与税がかかります。

贈与税はもらった方が支払う

贈与税はもらった方が払うものです。
あげた方が贈与税まで負担すると、その負担した贈与税額も贈与とみなされますのでご注意を。

ほかのものに使わない

扶養義務者である親が子供の生活費や学費等を負担しても、贈与の対象とはされず贈与税もかかりません。
しかし、教育資金の一括贈与としてもらったにも関わらず、車や趣味のものの購入など、ほかのものに使ってしまったり、使わずにためていた場合は、贈与とみなされますのでご注意を。

贈与税の減税、相続税の増税はなぜ行われたのか?

平成27年1月1日から、新しく改正された制度が適用されました。
まず、相続税の基礎控除が引き下げられました。この改正により、相続税の課税対象者が現在の4パーセントから6パーセントに増えるといわれています。

この改正の目的は、今まであまりに少なかった相続税の課税対象者を増やして、社会全体の税負担のバランスをとるためです。
もう一点は、税率が変わった点です。最高税率が、50パーセントから55パーセントに引き上げられました。
これは、高額の相続をした者に更なる税の負担を求めることで、富の再分配を図ることを目的としています。

次に、贈与税の改正についてですが、主な点としては、20歳以上の子や孫に対する贈与に関して、特例が設けられて減税が図られたり、教育目的の贈与に関する制度が新設されたことが挙げられます。

これは、高齢世代が保有する財産を相続まで待たずに早い時点で、若い世代に移転させることを図った施策です。
これを上手に活用して、皆様の大事な財産を、同じく皆様にとって、さらに大事な次の世代を育てるために、有意義に生かしましょう。

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税制改正に伴う贈与税の変更点について

暦年贈与の贈与税率構造見直しで、相続税が安くなる可能性があります。

生前贈与の方法として財産を移転する方法として暦年贈与があります。今回の税制改正大綱にて、この暦年贈与に関する贈与税の税率構造に変更があり、大きな減税効果が見込まれています。

詳しくはこちら

子への贈与が孫まで拡大、2,500万円まで非課税になる可能性があります。

現制度では、65歳以上の親が子(20歳以上)までにしか贈与ができませんでしたが、60歳以上に年齢を引き下げ、贈与の適用者を子および孫(20歳以上)にまで拡大します。

詳しくはこちら

相続時精算課税制度の対象者が孫まで拡大する可能性があります。

今回の改正におけるメリットは、受贈者の人数によって決まる相続時精算課税による非課税枠が増えることですが、孫への贈与について相続時精算課税を適用した場合、相続税が2割加算されることもあるので注意が必要です。

詳しくはこちら

子や孫への教育資金贈与が1,500万円まで非課税になる可能性があります。

今までできなかった祖父母の孫への教育資金贈与が、今回の改正より可能になる可能性があります。今回の改正における「目玉」とも言える新制度が、子や孫への教育資金贈与の非課税制度です。

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死亡保険金における非課税限度の引き下げは見送りになりました。

死亡保険金に適用される相続税の非課税枠(500万円)について、今回の法案では見送られました。しかし、この非課税枠は、度々縮小する方向で見直しの議論が行われているため注意が必要です。

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