北海道、東北の遺産相続の専門家の数
遺産相続の悩みで多いのが、相続人の間の争続争いとなるトラブルを抱えるケースや不動産の名義変更など事務手続きが分からないというものが聞かれます。
そのような問題解決のためには専門家である弁護士、司法書士などの力が必要になります。北海道、東北には、これらの専門家がどれ位の数いるのか調べてみました。また、それぞれの役割についても簡単に解説しましたので相続をご検討の方は参考にしてください。
北海道の弁護士数
北海道には4つの弁護士会があり、それぞれの地域で活動する弁護士が地域の弁護士会に所属しています。日弁連の2015年のデータによると北海道には920人の弁護士がいます。
このように北海道では、札幌周辺に弁護士が集中しており、1万人あたりの弁護士数で見ると1.7人と全国平均で見ると決して少なくありません。しかし、道内は面積が広く旭川、函館、釧路などの都市を除いては弁護士過疎地域といえます。
札幌弁護士会 729人(105人)
旭川弁護士会 69人(7人)
函館弁護士会 51人(4人)
釧路弁護士会 71人(5人) *カッコ内は女性弁護士の数
弁護士の業務は多岐に渡りますが、それぞれ専門分野を持つ弁護士がほとんどです。上記の弁護士すべてが遺産相続の業務に精通しているわけではありません。
弁護士は遺産相続の業務においては唯一代理人として交渉したり訴訟のサポートができますが、複雑な遺産分割のケースなどでは、法律的な知識だけでなく、不動産、相続事務手続きなどにも詳しくなければ相続業務に対応できません。
ですので、遺産相続に強い弁護士に相談しないと適切な解決が望めなくなるので注意が必要です。
北海道の司法書士の数
北海道には司法書士は671人います。司法書士は全国に22007人いますので、北海道は約3%と非常に少ない数字となっています。(2016年5月日本司法書士会連合会)
弁護士同様に道内では一部の都市を除いて街の法律家と言われる司法書士も少ないため過疎地域ということが言えます。
札幌司法書士会 469人
函館司法書士会 47人
旭川司法書士会 69人
釧路司法書士会 86人
司法書士の専門業務としては、登記手続き、成年後見、債務整理などが有名ですが、遺産相続においては不動産の名義変更手続きが司法書士の専門分野です。遺産相続では、親の代からの不動産を相続するケースが多いため、司法書士への相談は増えています。
しかし、司法書士でも遺産相続業務に精通していないと相談者に対して適切なアドバイスができなかったり、手続きに時間がかかる場合があります。そのため、遺産相続の専門家として活動する司法書士へ依頼することが何より重要です。
東北の弁護士の数
東北には東北弁護士会連合会という大きなブロックがあり、その下に各県ごとの弁護士会があります。人口1万人あたりの弁護士の数で見ると、宮城県は1.85と全国平均よりも多いものの、その他の青森県0.89、岩手県0.79、秋田県0.73、福島県0.96、山形県0.83と非常に少なく弁護士過疎地域ということが言えます。
青森県弁護士会 118人(14人)
秋田弁護士会 76人(11人)
岩手弁護士会 102人(10人)
仙台弁護士会 431人(56人)
福島県弁護士会 185人(24人)
山形県弁護士会 94人(11人)*カッコ内は女性弁護士の数
法律事務所でも遺産相続を専門に扱う事務所はさほど多くありません。さらに東北地域では弁護士数も少ないために遺産相続の専門家も限られてきます。
相続案件は家族の間で紛争に発展するケースも多く、遺産分割や相続問題の訴訟・調停に精通した弁護士に依頼しないと適切な解決ができなくなります。相続の専門家選びは重要だということは忘れてはいけません。
東北の司法書士の数
東北の司法書士の総数は1138人です。全国で見ると約5%ですので決して多くはありません。すべての司法書士が遺産相続の業務に対応できる訳ではありませんので、お住まいの近くに相続に強い司法書士がいない場合には全国対応の司法書士に相談するのも一つの方法です。
青森県司法書士会 120人
秋田県司法書士会 113人
岩手県司法書士会 147人
宮城県司法書士会 322人
福島県司法書士会 277人
山形県司法書士会 159人
司法書士は弁護士ほど業務範囲は広くありませんが、街の法律家として気軽に相談しやすいというメリットがあります。中には相続業務全般を他の士業と連携してサポートできる専門家も中にはいます。ワンストップで遺産相続を相談したい場合には不動産名義変更手続き以外にも対応できる司法書士を選ぶことが必要になります。る