税理士の役割
税理士は、企業(個人)の確定申告、税務コンサルティング、節税対策などを主な業務とする税金やお金に関する専門家です。
昨今では、大相続時代ということもあって遺産相続案件の増加により、相続業務に特化した税理士事務所が増えています。
一般の方には普段馴染みがない税理士ですが、遺産相続においては重要な役割を持ちます。
税理士に遺産相続を依頼するメリットとその仕事について解説していきます。
税理士の業務
税理士が扱う主な業務は企業向けの税務コンサルティングです。
企業には年1回の決算が義務付けられており、決算後に確定した売上を税務署に申告し納税をおこないます。税理士はその際に税務コンサルタントとして税務上のアドバイスから確定申告手続きまでをサポートします。
この確定申告は税理士の独占業務なので、ほとんどの企業は税理士と顧問契約を結んで税務アドバイス、確定申告業務などをお願いするわけです。税理士は、このように企業の「税務対策」全般をサポートするプロです。
また、税理士の中には、税務の知識と経験を生かし、個人向けの遺産相続業務に積極的に進出している事務所がたくさんあります。
個人の方でも「遺産相続の生前対策を検討したい」、「相続税の軽減対策(節税)を提案して欲しい」など、税理士に節税や相続税の相談をすれば適切なアドバイスやサポートを受けることができます。
税理士に遺産相続を相談するタイミング
遺産相続の問題を税理士に相談するタイミングですが、被相続人となる親世代が生前からおこなう生前対策と、死亡後におこなう遺産相続では、手続き内容もタイミングも変わります。
ここでは、相続前と相続時に税理士に相談できる遺産相続業務を見ていきましょう。
遺産相続の生前対策を税理士へ相談
最近、終活という言葉がよく聞かれますが、遺産相続においても存命中から準備する生前対策をする人が増えています。
これは、ある意味、残された家族が相続争いで揉めたり、相続税の重い負担で苦しまないようにするために親がおこなう最後の仕事と言えます。
生前対策のタイミングですが、こればかりは“備えあれば憂いなし”ということになりますが、生前贈与など子供や孫への遺産移動を考えた場合には早めに準備して進めていった方が良いでしょう。
税理士に相談すれば、生前対策として以下の様な手続き、調査、アドバイスをサポートしてくれます。
税理士の生前対策
- 予想される相続税の算出
- 土地評価、家屋評価
- 生前贈与の相談
- 遺産分割のアドバイス
- 遺言書作成アドバイス
- 生前からできる節税対策
相続時に税理士への相談
非相続人が亡くなって葬儀が終わったら、悲しみに浸る間もなく相続手続きというものが待っています。もし、相続人の間で遺産分割の揉め事が起きないようであれば、後は相続税の算出から確定申告の手続きに入ることになります。
相続税の確定申告は税理士の専権事項です。相続税の軽減(節税)と合わせて相談すれば依頼人にとって有利かつスムーズな遺産相続を進めてくれます。
税理士は、相続時に以下の様な手続き、調査、アドバイスをおこなってくれます。
相続時の税理士への相談
- 節税含めた相続税の申告
- 特例を利用した節税対策
- 被相続人の財産調査
- 相続税の還付
- 遺産分割協議書作成
資産家の遺産相続で起きるトラブル
遺産相続は、被相続人が所有する資産(財産)により相続対策の規模や手続き項目も自ずと変わってきますが、特に財産が多い場合には、相続時に様々なトラブルが起きる可能性があります。
そのため、資産家である被相続人とその資産を相続する相続人の方は、特に以下の3点に留意して相続対策を検討しておかなくてはなりません。
- 争続にならない円満な遺産分割
- 申告後に納税する資金の確保
- 相続税の軽減(節税)
相続が争続とならないように入念な遺産相続対策の準備が求められます。
税理士の戦略的な遺産相続コンサルティング
税理士の中には、そんな資産家を対象に「揉めない遺産相続」、「賢い遺産相続」という、税務上のメリットに力点を置いた戦略的な遺産相続コンサルティングをおこなう税理士事務所があります。
税理士の相続コンサルティング
- 不公平にならない円満な遺産分割と税務上のサポート
- 財産の組み換えと資産運用
- 不動産の有効活用(マンション、駐車場などへ転用)
- 所有する株式・投資信託・投資商品の売買対策
- 事業継承(M&A)
etc...
特に、3番目の「不動産の有効活用」は、相続税の軽減とともに、遺産を積極的に有効活用する方法として税理士事務所は力を入れています。
また、マンション経営や駐車場経営などは、税理士事務所1社だけでは対応できませんので、不動産事業者、ハウスメーカー、他の士業(土地家屋調査士、弁護士、司法書士)などと連携して案件を積極展開しています。
さらに、最近では事業継承という新たな社会問題も生まれています。これは「子供が親の事業を継承しない」、「事業を受け継ぐ人材がいない」という、人口減少や人材難が原因で起きている“事業相続”の問題です。
そのため、リタイア前の経営者が存命中の間に事業の継承者を探したり、事業売却(M&A)相手を探すという新たなビジネスニーズが生まれています。
税理士の中には、この事業相続である事業継承の案件を積極的に手がけている事務所もあります。
遺産が少なくても相続トラブルは起きる
遺産相続のトラブルは何も資産家の間だけで起こることではありません。実は、遺産額が1500万円~2000万円位が遺族の間で一番揉めやすいと言われています。
相続できる金額が少ないと、できるだけ自分の取り分を多くしたいと考えるのが人間心理というものなのでしょうか。
そんな遺産相続のトラブルは弁護士の役割です。しかし、遺産分割が話し合いで解決できる場合や、相談内容が「税務上の軽減アドバイス」・「申告手続き」だけであれば、税理士への直接相談が適切な対応方法になります。
- 税理士の役割についてのポイント
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税理士は相続税の申告をはじめ節税などお金に関わる業務の専門家です。相続税の申告から節税対策、生前贈与など税理士に相談すれば効率的に問題解決へ導いてくれます。当サイトで紹介する遺産相続のプロである税理士にご相談してはいかがでしょうか。
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