相続税を払わないとどうなるのか?どんなペナルティがあるのか?

相続税を払わないとどうなるのか?

親や配偶者が自分たちのために遺してくれた、大切な財産。
大切な人が亡くなることはとても悲しいですが、先のことを考えて残してくれた財産はありがたいものですよね。

ただ、相続する際にどうしても逃れられないものが相続税です。
課税率も低くはありませんよね。

ある程度の金額までは課税対象とはなりませんが、亡くなった人が生前に一生懸命築いた財産を、どうして税金として国に納めなければいけないのか。

納得できないまま、しぶしぶ払っているという人も少なくないでしょう。
払いたくないという人もいるかもしれません。

では、実際に相続税を払わないとどのようなことになるのか。
相続税についての簡単な解説を交えながらご紹介しましょう。


相続税について

相続税は、ある人が亡くなったことを理由とした財産の移転(相続)に対して課される税金です。
故人の財産を相続した人全員が納めなければいけないというものではなく、非課税となる一定の控除額を超えた部分について課税されます。

具体的には、「5,000万円+1000万円×法定相続人の数」の範囲が非課税となる基礎控除額です。
この金額内に収まっていれば、相続税を納める必要はありません。

ただ、平成27年1月1日から、この基礎控除額が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」に改正されます。控除額が下がってしまうのです。

夫婦と子ども3人の家庭でたとえてみましょう。

夫が亡くなった場合、現在は5,000万円+1,000万円×4=9,000万円が控除額となりますが、改正後は3,000万円+600万円×4=5,400万円となってしまいます。

財産総額が6,000万円あった場合、現在では相続税を払う必要はありませんが、改正後は控除額5,400万円を超えてしまいます。
そして、超えた分の600万円に対して相続税が課されることになるのです。

相続財産の中に不動産が含まれていると、想定している以上に相続財産の価値が上がってしまうことがあります。
現在、自分には関係ないと思っている方も、税制改正後は要注意です。

相続税を支払わないでいると

相続税が払えない

では、相続税を支払わなかった場合はどうなるでしょう。

納税は法律で定められた国民の義務です。余程の事情がない限り免れることはありません。
相続税を支払わないことは脱税です。事業の売り上げを誤魔化して脱税するのと同じ、れっきとした犯罪です。

ただ、相続財産として現金よりも不動産などの方が多く、その不動産も簡単に売却できない場合など、支払いが困難な状況もあるでしょう。

そのような時は、税務署に事情を説明すれば分割納付を認めてもらえることがあるのです。分割納付には利子税がかかりますが、当然、滞納税よりも安くなります。

何より、支払いに困っていることをちゃんと相談をして、支払う意思をみせることが大切なのです。

だまって先送りにしていれば延滞税や重加算税など、どんどんペナルティが課されてしまいます。

相続税の申告をしなければ良いのでは?

ところで、相続税の申告をしなければ税務署にはわからないのでは?と思う人も、いるのではないでしょうか。
税務署はそんなに甘くはありません。

人が亡くなると、市区町村から税務署へ通知されます。
もちろん、税務署に対する通知ですから、土地や建物を所有している場合は、亡くなった事実と一緒に固定資産に関する情報も伝わります。

一方、個人事業主など所得税の確定申告をしている人がいれば、そのデータは税務署自体が把握しています。
そうしたデータをもとにして、亡くなった際に相続税がかかりそうな人物は、生前からリストアップされているのです。

ですから、亡くなった際に通知された固定資産の情報などから、相続人に相続税がかかるかどうか、ある程度判断ができるのです。

もちろん、リストアップされている人物が亡くなったにも関わらず、その人物の相続人から相続税の申告がない場合も、税務署は「おかしい」と思うわけです。

そして、相続人に連絡をしてくるのです。
課税対象者だとわかれば、当然、相続税を支払うよう何度も督促されることになります。

その再三の督促も無視をして支払いを拒み続けていればどうなるか。
ある日、逮捕されるという結末が待っています。

ちなみに、脱税の罰則は5年以下の懲役、または500万円以下の罰金、もしくはこの両方ということになります。

納得ができなくとも、課税対象となる財産を相続したのであれば、支払わないという選択はするべきではありません。

まとめ

相続税の支払いに不安があるのであれば、相続することが予想される財産についてしっかり把握すること、その上で、相続税の額を極力抑える方法や、手続きを検討しておくことが大切です。そして、支払う必要があるのであれば、ちゃんと支払いましょう。

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