財産が少ないほど相続争いで揉める!遺産分割裁判の3割が1000万円以下で起きているという事実

quarrel over succession

相続争いに発展するケースは5000万円以下が多い

相続争いは財産が多い場合に限って起こる問題だと思っていませんか?

2012年に遺産分割で裁判となった割合は、1,000万円以下が32%、1,000~5,000万円以下が43%です。残り25%が5,000万円以上の遺産分割で揉めている割合となります。

つまり、財産が少ないほど相続争いが起こることが分かります。

さて、遺産分割で揉める原因は何でしょうか?

それには、いくつか問題点が考えられますが、一番の原因は「欲」でしょうね。

しかも、「感情」が加わると、さらに欲が増します。

なぜ、少ない財産のほうが揉めるのか?

例えば、父を亡くした兄弟姉妹が、「誰が介護した」「誰が面倒をみた」などといって揉めるケースも感情と欲の現れです。

あげくの果てには配偶者である自分らの母とも争うことになり、相続がきっかけとなり家族関係が壊れてしまう場合もあります。

こうなってしまうと修復するのは困難です。それぞれが欲を出して感情をぶちまけてしまえば、まとまる話もスムーズに解決しません。

1億円なら満足、1000万円ならもっと欲しい

5,000万円以下の相続で揉めるケースについて、欲と感情のほかにもリアルな金銭感覚が原因として考えられます。

遺産分割の額が1億円や2億円となれば私生活から離れた非現実的な金額なので欲を抑えられることもできるでしょう。

1億円もらえるのに「いや、1億1千万円じゃないと納得しない!」などという感情は起きにくいものです。

しかし、これが1,000万円や2,000万円といったリアルな金額になってくると人間は欲を出してしまいます。

5,000万円の財産を分割するのであれば、少しでも多くの取り分を要求したくなり、1,000万円よりは2,000万円・・・と欲が出てしまうのです。

平等に分けるという感覚ではなく「誰が一番多くもらうべきか」を考えてしまい、そして、もらう権利がない相続人を話し合ってしまうようです。

非常に切ない瞬間ですね。

相続は金銭の振り分けであると同時に、気持ちの分配であることを相続人みんなが理解しておく必要があります。

家族の絆が勘定される瞬間

遺産分割をスムーズに解決する課題はコミュニケーションにほかなりません。

日頃から相続人同士のコミュニケーションが行き届いていれば、相続争いが起こる可能性は低いと言えます。

遺産分割は「家族の絆が勘定される瞬間」です。それまで積み重ねてきた家族の絆が、遺産分割の際にはっきりと分かるでしょう。

そうした家族の絆を深めるために、最近では「エンディングノート」や「終活」といった相続における生前対策が注目を集めています。

普段は仲の良い親族同士でも、いざ相続となれば目の色が変わってしまうものです。

残される家族のことを想うのであれば、遅かれ早かれ相続の生前対策を検討する必要があるでしょうね。

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