あなたの骨董品や美術品がゴミ処理されないために!遺品整理という生前からおこなう終活のススメ
突然ですが、自分が亡くなった後に財産や持ち物がどうなるか考えたことはありますか?
普段、あまり考えたくはないことかもしれませんが人間は必ず死を迎えます。
それは、誰も逃れることはできません。
そのため、自分が亡くなった後の事を考え、生きている間に準備しておくことが重要です。
遺言を残して家族や信頼のおける人たちに託すという方法も1つですが、自分の遺品になるわけですから、ある程度整理しておきたいものです。
生前整理(遺品整理)とは、生きている間に、遺品となる自分の財産や持ち物を整理しておくことです。
生前整理には様々なメリットがあります。その4つのポイントを解説します。
理由その1 遺された家族の負担を軽減する
現金や不動産など相続財産と認められるものは、法律によって分配の割合などが定められています。
貴金属や骨董品なども相続財産に含まれる場合がありますが、客観的な価値がわからないものは、鑑定して金額的な価値を算定したりする必要があります。
そして、それをお金に換えて分配するのか、貴金属や骨董品のまま誰かが受け継ぐのか、遺族が決めなければいけません。
遺品が多ければ多いほど手間も時間も掛かります。
けれど、生きている間にご自身で価値を知り、家族が受け継いでくれそうかどうかを判断して適切に処理しておけば、遺された側の負担はかなり軽減されるはずです。
また、残された家族の間での相続争いも回避することができます。
特に収集趣味のある方は、寂しいことかもしれませんが、興味を持たない家族に迷惑を掛けないように、生前から少しずつでも整理しておきましょう。
理由その2 相続税対策になる
ご存じのことだと思いますが、相続財産が一定の基準を超えると相続税、つまり税金が掛かります。
自分でこつこつと蓄えてきた大切な財産を次の世代に譲るだけで、受け取る側に多額の税金が課されてしまうことに、納得できない方も多いのではないでしょうか。
この相続税をなるべく抑えるためには、相続の対象となる財産自体を減らせばいいわけですが、生前整理も有効な手段となります。いわゆる生前贈与です。
譲りたい相手の名義で口座等を作成して、そのお金には手を付けないようにしておけば、亡くなって本人の口座が凍結されても、葬儀代やすぐに必要な出費にも困ることはないでしょう。
もちろん、贈与にも税金は課されますが、年間の非課税枠や制度を活用すれば、生前から少しずつ財産を分配すれば税金も節約することができるのです。
特に、美術品や株式など時間が経って価値(価格)が上がる可能性が高いものは、その価値が低い間に譲り渡しておけば、節税対策としても効果が高くなります。
そのためにも、客観的価値が判断できないものは、その後の価値の変動も踏まえてしっかりと資産価値を把握しておくことが大切になります。
理由その3 財産価値のない物を自分の希望通りに処理できる
さて、財産価値のあるものについては、相続にも関わってきますので不要な物としてただ処分されることはないでしょう。
しかし、客観的には価値のないものはどのように扱われるかは分かりません。
もちろん、形見として大切にしてもらえることはあります。愛用していた時計やアクセサリー、思い入れのある洋服など、その後も使えるものであれば、遺族が使い続けてくれることもあります。
では、趣味のコレクションのようなものはどうでしょうか?
理由その1でも触れましたが、切手やコインなど比較的場所を取らないものでも、興味のない家族にとっては不要のものです。
切手やコインなどはまだ一般的ですが、マニアックで理解されにくいものをコレクションしている方もいるかもしれません。
そんな場合、本人が亡くなってしまえば、売却どころか「ゴミ」として処分されてしまいます。
自分が亡くなった後のことだとしても、大切に集めてきたものがゴミとして処分されるのは哀しいものがあります。
そんなことになるくらいなら、同じ趣味を持つ仲間を見つけて譲るなど自分が納得できるように、生前に整理しておく方が良いのではないでしょうか。
遺しても家族の負担にならないようなものなら、せめて1つくらいは形見として大事にしておいて欲しいと、託しておくこともできますね。
そうすれば、家族の手間も省けて一石二鳥です。
理由その4 亡くなった後への不安が軽減し、ゆとりが持てる
生きている間に、自分の身辺をある程度整理しておくと、何か死に対する準備をしているような感覚になるかもしれません。
けれど、身の回りを整理したからといってすぐに亡くなるわけではありませんし、身辺がスッキリすることで、その後の人生にゆとりが持てるのではないでしょうか。
高価でなくてもマニア的な希少価値のあるものを売却して、そのお金で旅行へ行くのもいいですね。もちろん、相続をスムーズに進めるための段取りという意味でも有意義です。
自分が亡くなった後のことに対する不安が少しでも解消されれば、その後の人生にもゆとりが持てますし、遺されるご家族の負担も軽くなります。
生前から準備する遺品整理という終活のすすめ
人の死というものは本人の意思や希望に関係なく突然訪れることがあります。
そんな時、生前整理を行っていれば遺された家族にとって混乱や負担は軽減することができるでしょう。
遺品や遺産は、それを遺す側にとってはもちろんですが、遺される側にとっても大きな問題です。
また、親族や家族がすでにない人にとっては、受け継ぐ人が居ない訳ですので残った遺品の行方は気になります。そういう意味でも生前整理は重要になります。
財産価値のあるモノも、そうでないモノも、たくさんの持ち物をお持ちの方なら、少しづつでも整理していくことをお勧めします。