父(母)の面倒を看たので相続は増えますか?

父(母)の面倒を看たので相続は増えますか?

親が亡くなった際の相続で、相続人である子どもの間で問題が起こるケースがよくあります。

「親の介護を長期間に渡って面倒を見てきたのに、離れて暮らしている兄弟と同じ相続額に納得できない」というケースです。

法定相続人の権利は予め法律で決められていますが、被相続人に対する貢献度で相続額を増やせる可能性はあります。

遺産相続には「寄与分」というものがあります。寄与分という制度は相続人の間で公平をはかるために導入されたものです。

寄与分について

寄与分は、全ての行為に認められるわけではありません。
寄与分が認められるのは、次の3点のみです。

  • 被相続人の事業に関する労務の提供または財産の給付
  • 被相続人の療養看護その他の方法により
  • 被相続人の財産の維持または増加につき特別に寄与をした共同相続人

簡単に説明しますと、「故人(親)の事業を長期に渡って手伝ってきた」、「故人(親)の介護を長期間おこなった」、「故人(親)に金品や不動産の提供をおこなった」などです。

この寄与分は相続人が集まる遺産分割協議の場で主張することになります。
もし、この協議がまとまらない場合には、家庭裁判所に調停や審判を申立てることになり、そして、その相続額を決めてもらう事になります。

寄与分はどの程度もらえるのか

寄与分によって、相続額が増えることがわかりました。
ですが、どの程度相続額が増えるのでしょうか。

寄与分の目安

寄与分には、明確に何ヶ月、何年介護を行ったら寄与分はいくら、という法的な規定はありません。
遺産分割協議で話し合って決めることになります。

ですが、話し合うにしても目安を知っておく必要があります。
寄与分の目安を出す方法は、次の2通りの方法があります。

1.過去の判例を参考にする

被相続人の遺産額全体に対する割合を出します。
過去の判例では、20%~30%程度が寄与分としたケースが多い傾向にあります。

2.寄与分相当額を算出

寄与分相当額は次の式で算出します。

第三者を療養看護に当たらせた場合の日当額相当注1 × 療養看護日 × 裁量的割合注2

注1 第三者を療養看護に当たらせた場合の日当額相当は、1日70~90分程度の介護で6,000円程度になります。
注2 裁量的割合は、遺産分割協議や裁判官の判断で決定します。通常0.5~0.8範囲になるため、0.7を目安になります。

例えば、1日あたり70~90分程度介護にあて、3年間介護をした場合は、次のとおりです。

6,000円×365日×3年×0.7= 4,599,000円

したがって、約460万円が寄与分の目安となります。

寄与分を主張するなら
寄与分には人それぞれ様々な観点があります。具体的な貢献度を明示しなくては納得されないケースが多いでしょう。これらを具体化して主張するために、法律の専門家(弁護士、司法書士)にアドバイスを求めてはいかがでしょうか。

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