イクジイのための今からはじめる孫への「生前贈与」と「教育資金贈与信託」まとめ

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可愛い孫への財産分与。生前贈与の方法を考える

孫への財産分与は「生前贈与」と「教育資金贈与信託」を使うと、非課税で行えます。

少し前に流行った言葉で、孫の子育てに積極的に参加する祖父を「イクジイ」とか「育G」とかいう言葉がありました。

この言葉は2011年に考案されたといわれていますが、今ではお役所が思い出したように使う“流行らそうとしたけど失敗した言葉”でしょう。

育児に参加するしないに関わらず、孫というのは大抵“実の子供より可愛い”というのも真実なようで、孫のために色々な物を買い与えるのは祖父・祖母の典型的なパターンです。

そして近頃は子供だけではなく、孫にも自分の財産を分与しようと考える人たちが増えています。

税金で取られるくらいなら、生きている間に相続したい

2015年1月1日より、相続税の最大税率がアップすることが決まりました。

最大税率は55%で、半分以上も税金として国に取られてしまうのです。

まぁ、遺産の額によっては。かえって税率改正後の方が税率が下がるケースもありますが、非課税で遺産を相続できるケースはなく、少しでも多く資産を子孫へ渡すには、「生前贈与」が効果的です。

自分の資産を少ない税金で子孫へ渡す方法は。、専門家に聞けば色々あるようですが、一番単純で有名な現金の残し方として、

  • 生前贈与
  • 教育資金贈与信託

という方法があります。

現金を贈与する「生前贈与」。気を付けるポイントはその金額

「生前贈与」は単純にお金を贈るという方法です。

まぁ、現金をポーンと相手に渡すのではなく、銀行口座間の金の動きになるでしょう。

生きているうちに財産を贈与する目的でするから、「生前贈与」というだけでお金を誰かに贈る行為はすべて贈与になります。

たとえば、宝くじが当たった場合に「幸せのおすそわけ」とか言って、家族や友人知人に何百万もの現金を贈ったら、「贈与税」が貰った人にかかってしまうのをご存知の方も多いでしょう。

生前贈与も、現金の出所が個人の資産であるということ以外宝くじと同じです。

したがって1年間に非課税で贈与できる金額の上限は「一人あたり、110万円以下」ということになっています。

つまり、子供一人に生前贈与をしたら年間110万円ずつしか非課税で贈与は出来ません。しかし孫にも生前贈与をすれば、子供と孫で年間220万円の資産が次の世代へ非課税で渡せるわけです。

ただし気をつけなければならない事は、子供や孫名義の銀行口座をこっそり作って、そこにお金を振り込んでも生前贈与とはみなされません。

受け取る側、つまり子供や孫がちゃんと、お金を贈与されたことを、その度に知っていなければならないのです。

さらに子供や孫への贈与で知っておきたい情報を追記しておきます。

非課税だけど、意外に使い勝手が悪い「教育資金贈与信託」

TVのニュースやバラエティ番組でも取り上げられて有名になったのは、「教育資金贈与信託」という制度です。

この制度は、“孫への教育資金であれば、一人当たり最高1500万円まで非課税で贈与できる”という点が注目されました。

孫が4人もいたら、6000万円も非課税で財産を贈与できてしまうわけです。

まぁ、6000万円もの預貯金をしている人がそうそういないかもしれませんが、この制度マスコミが騒ぐほど使い勝手はよくありません。

というのは、

  • 2015年12月31日までの期限付き特例制度である
  • 教育以外の目的には使えないモノで、余ると課税される

というデメリットがあるからです。

期限があるというのは、そのまんま2015年いっぱいまでしか、この方法で孫に財産を分与することは出来ないというものです。

一方、教育以外に使えないという縛りは、この制度を使う場合、専用の信託口座を作り、その口座に入っているお金は、“教育意関連に使ったという証明となる領収書が必要”になるのです。

銀行によっては、先払い対応をしてくれるケースもあるそうですが、基本的には立替制で、規定に沿った教育関連の領収書でしかお金は引き出せません。

さらに孫が30歳になるまでという時間的な制限も掛けられており、その際信託口座の残高に応じて課税されてしまうというデメリットもあります。

まとめ

こうした生前贈与がプチブームになっているのは、やはり相続税の税率が変わったからでしょう。

しかし2015年から変更される相続税の税率は、すべてアップされるわけではありません。

財産の総額によっては税率が下がるケースもあります。

とはいえ現金に関しては完全に非課税で財産を渡せる生前贈与が有効な手段であるのも事実で、もっとも効率のよい(税金がかからない)財産の相続方法は、税務のプロに相談してみるといいでしょう。

生前贈与の上手な活用法についてもっと詳しく知りたい方はこちらで解説してます。

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