「憧れの田舎暮らし」 田舎に家を建てるのはちょっと待って!子供の相続のためにはNG行為です

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憧れのスローライフ?田舎暮らしに憧れている人が増加中

田舎に家を持つと、相続のときに問題が発生する可能性があります。

「都会の喧騒を逃れて…」といったフレーズで、昔から都会暮らしの人が、田舎暮らしをするというパターンはよくある話です。

ところが最近、団塊の世代が大量退職し、それを機会に田舎暮らしを検討している人も大量に増えています。

都会や近郊の住宅地に暮らしてきた人の多くは、何も好き好んで都会暮らしを続けていた人ばかりではありません。会社に通う為に仕方なく都会に住み、満員電車揺られて日々生きてきたわけです。

それが定年を迎え、リタイア後の生活を自然に囲まれた田舎で、のんびり暮らしたいと思う人も少なくないわけです。

都市部に住む人で、農村漁村に住みたいと考える人の割合が大幅に増えています。こうした意識の変化は、地方から都市部への人口流出に歯止めをかけるきっかけになるのでしょうか。

 内閣府が行った世論調査によると、都市部に住む人のうち、「農山漁村地域に定住してみたいという願望がある」と答えた人の割合は約32%で、前回調査(2005年)と比較すると約11ポイントも増えました。 田舎暮らしをしたい人の割合増える、地方の人口流出に歯止めはかかるか? Yahooニュース(2014年8月14日)

田舎暮らしのメリットとデメリットとは

リタイア後に田舎暮らしをしようと思っている人の多くは、自らが幼い頃に田舎で生まれ育った人が多いわけで、田舎暮らしのいい所も一杯知っています。

高いビルディングもなく、目の前には田園が広がり、吹き抜ける風は心地よく、ゆったりとした時間が過ぎていく田舎暮らしは、心を癒してくれるでしょう。

ただし、大自然に囲まれた田舎がいい事ばかりではありません。“田舎の香水”と言われるし尿の有機臭が漂い、小虫や羽虫がそこら中に飛び交って、蛇や野獣も出没するわけです。

また、町から離れれば買出しも一苦労で、怪我を負ったり病気になった場合も、病院は車で小1時間などという不便さもあります。

好き好んで住む田舎暮らしも、意外な問題が発生する?

不便でワイルドな田舎暮らしも、慣れてしまえば問題はないのですが、好き好んで暮らしているのは、田舎暮らしを始めた本人だけで、子供は都会を離れず、どうかすると配偶者も子供と一緒に都会に残ってしまうケースもあるようです。

田舎暮らしをしている本人が、元気なうちはそれでも構わないのですが健康を害したり、最悪死亡してしまうと厄介な問題が発生します。

身体を壊した場合は、病院に入院するなどする羽目になりますが、田舎の病院だと家族がわざわざそこへ通わなければならず、家庭不和の原因になります。

さらに問題なのは死亡してしまった場合の遺産相続でしょう。

田舎の土地は売れない!相続税が子供たちにのしかかる

相続税はだんだん高くなる傾向にあります。

もし田舎暮らしの為に土地つきの民家でも買ってしまった場合、当然その資産に対して相続税が掛かりますが、子供たちに土地建物の相続税が簡単に支払えるかどうかを考えてみてください。

子供たちはすでに自分の家をもっており、田舎の土地や建物に住む気がないのであれば、当然相続のときにその土地や建物を売り払って相続税の支払いにあてることになると思います。

しかし、都会とは違い田舎の土地建物は、「圧倒的に需要が少ない」、「再開発の予定が無ければ、長期的に見ても土地の資産価値が低い」などにより、そう簡単に買い手がつかないのです。

また、親の死後は空き家にしておくわけにもいかず、解体するにもお金が掛かりますし、毎年固定資産税が掛かります。

捨て値で叩き売れば売れない事はないかもしれませんが、田舎の土地を買ったばかりに、無駄に資産を減らしたことは、子供に恨まれる原因になるでしょう。

田舎暮らしをする時には、相続を考えて家族に相談しよう

リタイヤ後に、のんびりと田舎暮らしをしたいと思うのは個人の自由ですし、自分の財産だから好きに使う権利もあるでしょう。

しかし、円満な家族との関係を保つために、田舎暮らしをする場合には、相続を前提として土地を買ったり家を建てたりするのか、貸家暮らしをするのか、ベストな方法を家族と相談して決めましょう。

親だけで勝手に決めると、後で子供を巻き込んだ家族間の大問題になる事だけは忘れずに。

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