被相続人が連帯保証人だったかを確認し相続放棄の行い方

連帯保証人とは、債務者の返済を保証する人物です。債務書が返済不能になれば連帯保証人が債務者の借金を返済しなくてはなりません。
つまり、返済不能になった債務者に代わって借金を肩代わりする人物が連帯保証人となります。

もし、被相続人が連帯保証人になっていた場合、相続人が遺産を相続する際に連帯保証人の役割も引き継がなければなりません。要するに、連帯保証人も借金と同様に遺産の一部として扱われるのです。
連帯保証人の権利を無理に解除することは不可能です。この場合の金銭の貸し借りは「債権者(貸す人)と債務者(借りる人)、連帯保証人の3者」が合意した上で成り立つ契約です。
相続人には関係ないからといって勝手に契約を解消することはできません。もし、被相続人が連帯保証人になっていた場合、被相続人から遺産を相続するのであれば連帯保証人の権利も引き継ぐこととなります。

相続後に債務者が返済不能になれば連帯保証人の権利を引き継いだ相続人に返済の義務が発生してしまいます。

被相続人の債務状況を確認する

被相続人が連帯保証人になっているか、いないかを把握するためには金銭消費貸借書を確認しなければなりません。被相続人が連帯保証人になっているのであれば金銭消費貸借書を所有していることになります。債権者、債務者、連帯保証人のそれぞれが1通ずつ契約書を保管する場合が多いので、まずは金銭消費貸借書を確認して連帯保証人の有無を確かめることが先決です。

もし、金銭消費貸借書が確認できない場合には、残念ながら連帯保証の請求を待つしか策がありません。
つまり、債務者が返済不能となり連帯保証人となっていた被相続人宛に返済の請求が来るのを待つしかないのです。相続後すぐに請求が来るのか、それとも10年後なのか、はっきりしたことは調べようがないのです。

例え、被相続人が連帯保証人になっていたとしても債務者がきちんと完済していればトラブルに発展することはないでしょう。しかし、不安要素であることに変わりはありません。このような事態を避けるためにも被相続人が健在している時に連帯保証人の有無を確認しておく必要があります。

連帯保証の権利を放棄する

遺産の一部に連帯保証の義務があることを確認できた場合、遺産の相続を放棄すると同時に連帯保証人の権利を放棄することが可能となります。

その際は、連帯保証人の権利だけではなく土地や建物、預金など財産の相続も放棄しなくてはなりません。相続する予定の遺産を確認して「プラスになる要素」と「マイナスになる要素」をしっかり考慮したうえで適切な処置をとることが大切です。

しかし実際には、相続後に発覚するケースがほとんどです。では、遺産を相続した後に連帯保証人の権利が発覚した場合、その時点で相続を放棄することは可能なのでしょうか。

これについては「可能です!」と断言することができません。相続後、時間が経過してから相続を放棄するためには裁判所の判断が必要となります。裁判所に相続の放棄を認めてもらえなければ連帯保証の義務を引き継がなければならなくなります。

相続放棄には専門的な知識が必要です

被相続人が連帯保証人になっていることを確かめるためには「被相続人に聞くか」、「債務者(借りた人)に聞くか」、「債権者(貸した人)に聞く」しか方法がありません。

契約書を発見することができなければ残念ながら連帯保証の発覚を待つのみです。

遺産相続の際、もし、プラスとなる財産がないような場合には後の不安を取り除くためにも相続放棄の手続きを行ったほうが得策と言えるでしょう。万が一に備えて対処しておかなければならない要因を見逃さないようにしたいです。

無意味な借金を引き継がないためにも相続放棄という手段は効果的ですが、よく考えたうえで判断しなければなりません。プラスとなる財産、マイナスの原因となる不安要素、実際にマイナスとなっている要素など、あらゆる観点から相続放棄について判断します。

また、起こりうる様々な状況を予測して最良の選択をすることが相続放棄における最善の解決策となります。そのためには専門的な知識や適切な判断能力、効率の良い立ち回りが必要不可欠なのです。

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