遺産相続におけるトラブルの一つに「相続争い」が取り上げられます。
相続争いとはその名のとおり「被相続人の遺産をめぐって相続人の候補者が相続権利を奪い合うこと」を表しています。
つまり、相続権利を奪い合う様子が争っているように見えることから相続争いとネーミングされているわけです。
よく、サスペンスやドラマのワンシーンで相続争いを観ることがありますが、テレビの中だけに限った出来事ではありません。
遺産相続で現実に起こりうるトラブルなのです。土地や建物などの不動産をはじめ、預金や株の相続権利を分配する時には大なり小なり避けては通れない問題なのです。
ではなぜ、相続争いが起きてしまうのでしょうか。トラブルや争いの原因として考えられる不安要素をチェックしてみましょう。
不労所得という考え方
不労所得…働かずして得られる収入のことを意味する言葉ですが、遺産相続も不労所得に該当します。
被相続人が築き上げた財産を無償で譲り受けるわけですから不労所得と呼んでも何ら不思議なことではありません。
働かずに財産や土地が得られるのであれば誰だって立候補したくなりますよね。それが、相続人の候補者であればなおさらということになります。
被相続人の親、兄弟姉妹、配偶者、子供に至るまで相続人の候補者が存在する場合、相続争いの確率は高くなるでしょう。
不労所得という考えから遺産をめぐって争いが起きても不自然なことではなく、必然的な問題として捉えるほうが自然と心構えもできるのではないでしようか。人間の本質と欲が衝突してしまう問題だけに、いかに効率良く対処するかが相続争いを切り抜ける鍵となってきます。
遺産分割に対する不満
複数の相続人で遺産を相続する場合、もう一つ予測できる問題が遺産分割による不満が原因で起こるトラブルです。
つまり、遺産の分配に納得がいかない相続人が発生してしまい、遺産分割の協議がスムーズに行われないということになります。
協議の妨げになる要因は、ただ単にお互いの主張がぶつかり合うだけではありません。親族関係や婚姻関係、血の繋がりや義理など、人間関係における確執が相続争いの引き金となってしまう恐れもあります。
例えば、親から膨大な財産を相続していた長男が故人となった場合、その財産を誰が相続するかで揉めるでしょう。婚姻関係にある配偶者とその子供なのか、または第３順位にあたる兄弟姉妹なのか、あらゆる要素を考えると遺産分割の協議は一筋縄では行かないことでしょう。
公式に認められた遺言書が残されていたとしても分配の指定が明記されていなければ相続人と相続分を決めるために話し合わなければなりません。そういった事態が生じた場合、どのような解決策を講じて相続争いを回避するかが重要なポイントとなります。
相続争いで失敗しないために
相続争いが長引くようであれば家庭裁判所に申立てして調停による解決策も考えられます。
しかし、これには手間と時間が要求されます。自分自身で１から１０までの処理を行うには様々な不備や苦労が付きものでしょう。
集めなければならない書類や作成しなければならない書類など、裁判のために必要な準備を整えるだけで人並み以上の労力が必要となります。
また、ストレスが付いて回るのも相続争いです。実務的なこと、精神的な負担を減らすためにも専門家へ相談するのが得策です。相続争いによるトラブルを回避するためには法律のプロに任せてスムーズな遺産分割を行うことが早期の解決へと繋がります。
遺産相続の専門家であれば形式的にも内容的にも最善の方法で対処するため、相続後のトラブルを未然に防ぐことも可能となり、相続争いにおいて最も効果的な対処法と言えるのではないでしょうか。相続争いで失敗しないためにも最善の対処法を選択することが問題解決への近道となります。
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