遺産相続で“失敗”をしないための簡単ステップガイド!

STEP2 遺言書の対処方法と負の財産、遺産にかかる所得税の納め方!

遺言書の有無が、その後の手続きを左右します。

遺言書は、誰が何を相続するかということに関して大きな効力を持っています。相続では基本的に遺言書が優先されるので、いったん遺産分割が終わった後に遺言書が発見されたら大変です。相続人以外の人物への遺贈があったり、新たに相続人が現れるなど、場合によっては遺産分割をやり直す事態になってしまうこともあります。

また、遺言書があるかないかで、その後の相続に関する手続きも違ってきます。

ですから、相続が発生したら、できるだけ早いうちに遺言書が作成されていないか、しっかりと調べましょう。被相続人の部屋を調べるほかに、生前の知人・友人や、お付き合いのあった弁護士、取引先の金融機関に問い合わせることも欠かせません。

遺言書の有無で異なる、相続開始後4ヶ月までのタイムスケジュール

遺言書がある場合

遺言書がない場合

被相続人の所得税の申告・納付

遺言書の開封の前に。遺言書を見つけてからの対処方法!

遺言書が見つかったら、思わずその場で内容を確認したくなるものですが、ちょっと待って!発見者が勝手に遺言書を開封してはいけない場合があるのです。

遺言書は主に3種類あります。自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言です。
このうち、自筆証書遺言秘密証書遺言を見つけた場合、発見者は開封する前に、家庭裁判所に検認の申立をしなければいけません。検認を受ける前に開封してしまうと、5万円以下の罰金を払うことになるので注意してください。

検認は、発見された遺言書の偽造や変造を防ぐための証拠保全の一種です。家庭裁判所では、遺言書の用紙、筆記用具、内容、日付、署名、捺印について検証し、調書として残します。
開封も家庭裁判所にて、すべての相続人の立ち会いのもとに行われます。
この検認の手続きには、1~2ヶ月かかります。

公正証書遺言は家庭裁判所での検認は必要ありません。見つけたらすぐに相続の手続きに入ることができます。ちなみに、被相続人が保管しているものは正本で、原本は公証役場で保管されています。

遺言書の対処方法
自筆証書遺言 家庭裁判所に検認の申立をする
秘密証書遺言 主な必要書類
遺言書
遺言検認の申立書 ※家庭裁判所で入手できる
被相続人、相続人の戸籍謄本
公正証書遺言 検認は不要

“遺言書がない場合”の相続のやり方と「負の財産」の扱いの注意点!

遺言書がない場合は、法定相続としての手続きを進めていきます。相続は、基本的に被相続人の財産の一切を引き継ぐものです。預金や不動産などもらえば得をする「正の財産」もあれば、借金などもらうと損になる「負の財産」もあります。

ここで問題になってくるのは、相続財産の調査をした結果、借金などの「負の財産」があった場合です。自分の家族が作った借金であっても、相続人が負担するのはつらいものです。また、何も知らずに相続したことによって、思いがけない借金を背負うこともあり得ます。

そこで、相続人は財産を相続するにあたって単純承認・相続放棄・限定承認という3つの方法から1つを選ぶことができます。相続開始から3ヶ月以内(熟慮期間といいます)に決定し、必要な手続きをしなければいけません。

もし、「負の財産」があった場合は、相続放棄限定承認の手続きをするのがよいでしょう。どちらも所定の用紙に必要事項を記入し、家庭裁判所に提出します。なお、熟慮期間の間に何も手続きしなければ自動的に単純承認をしたことになり、「負の財産」である借金があれば相続人が返済することになります。

遺言書がない場合の相続の種類
どんな方法か どんな場合に選択するか 家庭裁判所での手続き
単純承認 正の財産も負の財産もすべて相続する 正の財産のみ、または正の財産の方が多い場合 不要(熟慮期間内に手続きをしなければ単純承認になる)
相続放棄 正の財産も負の財産もすべて放棄する 負の財産の方が多い場合 相続の放棄の申述
相続放棄の申述書※と
関係書類を提出
※家庭裁判所で入手できる
限定承認 正の財産の範囲内で負の財産を負担する
負の財産の方が多くても、正の財産以上の負担は免れる
正の財産と負の財産のどちらが多いのか不明な場合 相続の限定承認の申述
限定承認の申述書※と
関係書類を提出
※家庭裁判所で入手できる
「負の財産」を扱う際のポイント
・多額の借金がある場合は、相続を放棄できる

相続は、遺産の内容に応じて最も有利な方法を選びたいもの。その後の手続きも含めて、専門家に相談しながら行うと安心です。

“遺言書の有無は関係なし!遺産にかかる所得税を納める方法!

遺言書の有無に関係なく、相続開始から4ヶ月以内には、被相続人の亡くなった年の1月1日から相続発生日までの所得について、所得税の申告をしなければいけません。また、被相続人が前年分の申告をしないまま亡くなった場合にも、同じく4ヶ月以内に、前年の所得について申告をする必要があります。これを準確定申告といいます。

準確定申告の場合、相続人が複数いる場合は、相続人全員での申告となります。
具体的には、確定申告書に各相続人が連署した「死亡した者の所得税の確定申告書付表」を添付する必要があります。提出先は被相続人の亡くなった時の住所地を管轄する税務署です。
準確定申告は、付表の記入や添付など注意点が多いので、専門家に作成してもらうのがオススメです。

準確定申告のポイント
・申告書の提出期限は相続開始から4ヶ月以内
・複数の相続人がいる場合は、相続人全員で申告する

続いては、いよいよ相続手続きのヤマ場となる遺産分割に進みます。

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