
相続登記をするとなっても、具体的にどこに申請するものなのか知らない人も多いです。相続登記の申請先は法務局です。法務局は全国各地にありますが、どこでもいいわけではありません。また、どのように申請するか、方法も選べます。自分で申請する場合は、法務局のサービスを上手に使うのが、スムーズな相続登記の近道です。
この記事では、相続登記をしようと思っている人が、どこの法務局に、どのように申請したらいいのかわかるよう解説していきます。あわせて、申請のときに役に立つ法務局の活用の仕方もお伝えします。
相続登記の申請先は法務局
「登記を入れる」「登記を備える」「登記をしなければならない」と耳にすることがあるかもしれませんが、いったいどうすることが登記をするということなのでしょうか?
相続登記をするというのは、相続登記の申請書と添付資料を法務局に提出することをいいます。法務局に相続登記の申請をすると10日ほどで、「登記完了証」と登記した不動産の「権利証」が、法務局の窓口または郵送で受け取れます。
「登記完了証」は登記が完了したことを通知する書面で、「権利証」は「この不動産は確かにこの人に所有権があります」ということを公に保証するものです。これらを受け取ることで相続登記の手続きは完了です。
このように、相続登記の申請先となる法務局ですが、どういった機関なのでしょうか。
法務局は「法律に関わる証明書発行等の業務を行なう、法務省の出先機関」です。法務局は各都道府県の主要地域にあります。規模によって本局、支局、出張所と呼んだりします。
法務局でできる主なことは、以下になります。
- 不動産や会社の登記申請
- 不動産や会社の登記事項証明書(謄本)の取得
ひとつ目は、相続登記をはじめとした「登記の申請」です。ふたつ目の登記事項証明書は、通称「謄本」と呼ばれる、登記された事項を証明する書面で、法務局で発行してもらえます。登記事項証明書を見ることで、登記された内容を確認することができます。
相続登記をする際には、申請書の作成で不動産を正確に記入するため、また、現在の権利関係を確認するため、登記事項証明書をとります。
法務局には管轄があります
全国各地にある法務局ですが、申請する法務局はどこでもよいわけではありません。
不動産の所在地によって、管轄となる法務局が決まっています。たとえば、不動産の所在地が新宿区でしたら、相続登記の申請先は新宿出張所になります。
不動産の所在地が東京の場合、管轄は以下から調べられます。
http://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/table/shikyokutou/all.html
全国各地の管轄については、各都市の地方法務局のページ内に、登記管轄一覧がありますので、そこで確認することができます。
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/kakukyoku_index.html
申請は郵送か法務局の窓口へ
申請方法は、郵送と、法務局の窓口という選択肢があります。
郵送の場合は、出向くことなく済むので便利です。もっとも、書類に不備があった場合、その都度、足りない書類を送り直す必要が出てきます。出した書類を訂正しなければならない場合、結局、法務局の窓口まで行かなければならない可能性もあります。ある程度の登記申請の情報を収集し自信がある場合には、郵送での申請は便利な方法といえます。
一方、法務局の窓口での申請は、出向かなければならないのが難点ですが、書類に自信がない場合、申請前に相談窓口で書類に不備がないか確認してもらえるのが利点です。書類を見ながら面前で話せるので、わからないところが理解しやすくなります。相続登記に自信がない場合は法務局に出向いて申請するほうが安心かもしれません。
郵送と窓口申請の利点と難点をまとめました。
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利点 |
難点 |
郵送 |
・遠方の法務局まで出向かなくて済む ・平日に窓口に行く時間を確保しなくていい |
・対面で書類の相談や確認ができない ・郵便が届くまでの日数分、時間がかかる |
窓口 |
・相談窓口で書類を確認してもらえる ・郵送より登記の完了が早い |
・窓口がやっている時間帯が平日17:15まで ・法務局までの往復の時間と交通費がかかる |
申請の他に法務局でできること
謄本をとる
相続登記をする際、まず最初に相続不動産の謄本(登記事項証明書)を発行してもらい、現在の権利関係を確認することが必要です。その不動産は亡くなった方の名義になっているでしょうか。抵当権設定の登記は残っていないでしょうか。不動産の謄本には、そういった所有者や担保の記録が載っています。謄本は不動産1つにつき600円で法務局で取得できます。
申請とは違い、どこの所在地の不動産の謄本であっても、どの法務局でも取得可能です。
登記の相談をする
各法務局内で1回20分であれば、無料の登記相談が受けられます。申請先である法務局の人に相談にのってもらえるので、自分で登記をする際には大きな助けになるかと思います。空いていればその場ですぐ相談することも可能ですが、予約をしていくと確実です。
相続登記に困ったら早めに司法書士に相談を
相続登記は法務局のサービスを有効に利用して、自分で申請をすることが可能です。
ただ、法務局で相談できるといっても、すべてを代わりにやってくれるわけではないので、登記のやり方を聞いたり、わからない点を質問できるに過ぎません。ある程度自分で情報を収集することが必要で、それなりの時間と手間がかかります。
相続関係が難しいケースでは、登記の専門家である司法書士でないと難しい場合もあります。
日常的でない相続登記は、専門家である司法書士に依頼することで漏れなく、効率的・確実に手続きを完了できます。
まずは、メールにて無料で相談することもできますので、ぜひご利用ください。
