不動産の相続登記の期限はいつまで?そのままにした場合の5つのリスク

相続があったときには、家や土地の相続登記の手続きが必要と聞いたけれど、いつまでにしなければならないのだろうと手続きの期限は気になるものです。

この記事では、相続登記の期限と、相続登記をせずにいた場合に生じてくる5つのリスクについて解説していきます。5つのリスクが生じることで、早めに相続登記をした場合に比べて、多くのお金と時間と手間がかかってきます。

「相続登記を放置してしまい今からでも相続登記できるか心配」、「相続登記を放置して、後々大変なことになるのは困るけれど、揃える書類も多そうだし、手続きが複雑で手をつけられないでいる」といった場合の対処法もお伝えします。

相続登記に期限はない

実は、相続登記にいつまでにしなければならないという法律上の期限はありません。

なぜかというと、登記というのは、不動産が自分のものであると、他人に主張するためのものだからです。自分名義の登記がしてあれば、もし他人が同じ不動産を自分のものだと言ってきても、主張を退けることができます。

相続した不動産を売却するときにも、自分名義の登記がしてあることで自分のものであると証明でき売却ができるのです。自分のものであることを主張したい人が自分のために行うものなので、登記は義務ではないのです。義務ではないので期限もありません。

相続登記をしないでおくと生じる5つのリスク

期限がなかったとしても、相続登記を放置しておくと、書類の入手が困難になったり、相続人の合意を得るのが難しくなります。

早めに相続登記をしておかなかったばかりに、余計な時間とお金と手間がかかるおそれがあります。相続登記を放置した場合に生じる5つのリスクをお伝えします。

1.相続登記に必要な書類が手に入らない

相続登記をするために必要な書類のひとつに、亡くなった方の住民票の除票があります。不動産の登記名義人が亡くなっていることを証明するためです。

市役所で発行してもらう書類ですが、市役所の保管期間は5年間なので、亡くなってから5年を経過すると入手できなくなります。

また、亡くなった方が、不動産を購入後、何度か転居している場合、登記上の住所と亡くなったときの住所が違うので、その間の転居を証明する除籍の附票が必要になることがあります。除籍の附票も、除籍になってから5年を過ぎると廃棄されてしまうので入手できなくなります。

  • 住民票の除票 5年
  • 除籍の附票 5年

2.相続人の数が増える

相続が発生したときの相続人は、例えば亡くなった方の子供4人だったのが、相続登記を放置している間に相続人の一人が亡くなって、その方の子供などの相続人が3名いた場合、新たに3名が相続人として加わり6名になります。

さらに時間が経過して、相続人が亡くなるごとに新たな相続人が発生して、最終的には連絡先も知らない多くの相続人に手続きに加わってもらわなければ相続登記ができないという事態になることも珍しくありません。

3.相続人の高齢化問題

相続登記を放置している間に、相続人が高齢化し認知症等、判断能力が低下してしまう場合が考えられます。

認知症の相続人がいる場合、遺産分割協議をしても、協議は法律上無効になります。財産の帰属を左右する重要な行為をするには意思能力が必要です。有効な遺産分割協議と言えるためには意思能力のある相続人全員の合意が必要だからです。

遺言書がある場合や法定相続で登記をする場合以外は、遺産分割協議で決まった内容の相続登記をすることになります。

そこで、有効な遺産分割協議書を作るために、認知症の相続人に「成年後見人」をつけることになります。「成年後見人」とは、認知症の人に代わって遺産分割協議をする人で裁判所によって選任されます。しかし、成年後見人の選任申立の手続きには数ヶ月かかりますし、費用も数十万かかってしまいます。

4.債権者の差押えリスク

遺産分割協議で不動産の名義を、相続人Aにすることが決まっても、相続登記を入れずに放置していると、別の相続人Bの債権者が、法定相続による相続登記を代位で行なって、相続人Bの持分を差押えてしまうリスクがあります。

こうなると、債権者にお金を払って差押えを解除してもらわなければ、相続人Aに相続登記をすることは難しくなります。

5.不動産の売却がすぐにできない

相続した不動産をすぐに売却したいと思っても、相続登記が完了していないと売却することはできません。

相続登記をいざ自分でやろうとすると思いのほか時間と手間がかかります。

相続登記には、戸籍や住民票など市役所で発行してもらう書類が必要となりますが、戸籍は本籍地の役所、住民票は居住地の役所に申請しなければなりません。戸籍を見て途中で転籍していることが分かれば、さらに転籍前の戸籍を入手しなければなりません。書類を集めるだけでも時間がかかります。

遺産分割協議書には必要な事項をもれなく記載しなければなりませんし、相続人全員分の署名実印が必要です。印鑑証明書も相続人それぞれに取得してもらわなければなりません。

いざ書類がそろって相続登記を法務局に申請しても、手続きが完了するまでには10日ほどかかります。

不動産の売却の相手が見つかったとき、急いでお金が必要なとき、相続登記を早めに入れておかないと、思いのほか相続登記の手続きに時間をとられ、好機を逃してしまうかもしれません。

相続登記に困ったら早めに司法書士に相談を

相続登記を放置している間に上記の5つの事態におちいってしまった場合にも、司法書士に依頼すれば相続登記を入れることは可能です。

特に相続登記が難しいケースになった場合、登記の専門家である司法書士でないと対応できない場合もあります。

日常的な手続きでない登記は、専門家である司法書士に依頼することで漏れなく、効率的・スピーディーに完了できます。

まずは、メールにて無料で相談することもできますので、ぜひご利用ください。

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