親が借金を残して死んでしまった … 借金も相続しなくてはならないのか!?

funeral
大人になると親や兄弟とゆっくり話す時間はなかなか持てないものです。
それが、遠く離れた場所で生活しているなら尚更ですね。

お盆や正月などの連休の際には実家に帰省される人も多いと思います。
そんな時こそ、家族にとって重要な話である「相続」に関して話しあってみませんか。

2015年には相続税の増税が施行されます。その前に、「親の遺産の有無」、「分配方法」などの方向性を決めておく事も重要です。

親が遺産どころかマイナスの遺産いわゆる“借金”を抱えている可能性だってあります。
生前にご本人に確認しておく事でスムーズな遺産相続が可能になります。

親から子へ財産を引き継ぐ相続。来年1月、相続税の基礎控除額が縮小され、課税対象者が増える見通しだが、納税の有無にかかわらず、相続は全ての人に関係するものだ。遺産をめぐるトラブルが起きないよう帰省時などを利用して家族でしっかり話し合っておきたい・・・

帰省時に親子で話す「相続」家の将来像語り、トラブル防止を(8月3日 Yahooニュース)



親が借金を残して亡くなった

今、話題の相続問題ですが誰もが人ごとではありません。

親が多くの遺産を残してくれるなら嬉しいものですが、逆にたくさんの借金を残して旅立ってしまう事だってありえます。

親御さんが以下に該当するようであれば、借金がある可能性が大いにあります。

  • 金遣いが荒かった
  • 生活が派手だった
  • ギャンブル好きだった
  • 株、先物など投資が好きだった
  • 女性関係が旺盛だった
  • 人が良くあちこちで保証人になっていた
  • 会社経営、自営業を営んでいた

もし、親が借金を残して亡くなった場合、突然、お葬式に債権者が訪れて

あなたに対して返済を要求してくる事だってあり得るのです。

子供は借金も相続することになる

親が亡くなったら、その子供は必ず相続人になります。
相続では、プラスの財産だけでなくマイナスの財産も相続人に受け継がれます。
つまり、子供が親の借金の返済をしなければならないことになります。

また、何もせずにそのまま放置しておけば、借金相続を認めたことになってしまいます。そのため、債権者から催促・取立てを受けても拒否できなくなります。

また、親自身には借金はないけれど、親が誰かの借金の保証人になっていたというケースもあり得ます。この場合の、保証債務というものも、やはり相続される事になります。

借金の主債務者が借金を残したまま亡くなれば、債権者は相続人に対して返済請求してくることも大いにあるということです。

自分が作った借金でも無いのに、相続放棄の手続きをしなければ、「借金返済の義務が発生する・・・」ちょっと怖い話ですね。

相続放棄という手段

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親が死亡した後、親の残した借金の返済や親の保証債務が自分に降りかからないようにするためには、相続放棄の手続をするしか方法はありません。

相続放棄をすれば最初から相続人でなかったことになりますから親の債務を受け継ぐこともありません。

相続放棄の手続は、相続開始を知った日から3ヶ月以内に親の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に相続放棄申述書の提出をおこなわなくてはなりません。

相続放棄申述書の書式は裁判所のホームページからもダウンロードできます。
相続の放棄の申述書(20歳以上)

なお、申述書と一緒に、下記の書類を提出する必要があります。

  • 親の死亡の記載のある戸籍謄本
  • 親の住民票の除票(又は戸籍附票)
  • 自分の戸籍謄本
  • 収入印紙
  • 切手(※裁判所によって異なるので問い合わせ要)

相続放棄申述書は、裁判所に直接持参してもかまいませんし、郵送で送ってもかまいません。

相続放棄の手続が終了すれば、家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が郵送されてきます。この通知は1回しか送られてきませんので、債権者に対して正式に相続放棄手続したことを証明するためには、必要に応じて裁判所から相続放棄申述受理証明書を取得しなければなりません。

相続放棄申述受理証明書は150円の手数料で何度でも発行してもらえます。

相続放棄は、親が亡くなって3か月以内に必ず手続しなければなりません。もし親が亡くなったことを知らなかった場合には、知ったときから3か月以内に手続する必要があります。

親の遺産や借金が分からない場合

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亡くなった親が遺書を残さなかった。。そんなケースも少なくありません。「財産もあったけど、どうやら借金もたくさんあるようだ…」
借金があるのは分かるけど、債権者が誰か分からない状況では、借金の額も分かりませんね。

関係している人に聞き取り調査なども必要になるかと思います。そのためには時間も必要です。

しかし、何もしないまま3ヶ月が経過してしまうと相続放棄ができなくなってしまいます。

このような場合には、相続放棄の期間伸長の申立てができます。

この申立てにより延長される期間は決まっていません。相続財産の調査にどれくらいの期間がかかりそうかを裁判官がケースごとに判断して決めることになります。

親の借金相続を避ける場合のまとめ

できれば、親とは生前に遺産の有無、借金の有無、さらに遺言書を書いてあるかなど事前に確認しておきたいところです。しかし、なかなか親を目の前にして、死後の話しをするのは難しいと思いますし、確認する前に急に亡くなってしまう事もあります。

事前に相続内容の確認ができなかった場合には、速やかに親の財産目録の調査をおこなう事が必要です。

もし、そこでマイナスの遺産(借金)が見つかった場合には「相続放棄」という手続きを思い出して下さい。

お住まいを管轄する家庭裁判所に行けば説明してくれます。ご自身でも比較的簡単に申請できますので、ご安心を!

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